ビジネスに必須のヒューマンスキル

ヒューマンスキルは、もともと「カッツモデル」というモデル図の要素でした。

1950年代にハーバード大学教授のロバート・L・カッツ氏により提唱されて以降、人材育成や組織開発の指針として活用され続けています。

※こちらははカッツモデルを図で表したものです。

この記事では、「ヒューマンスキル」にフォーカスを当てて解説したいと思います。

ヒューマンスキルとは、社内外のあらゆる関係者と円滑な意思疎通をはかり、良好な人間関係を築く能力で、次の要素が含まれます。

目次

ヒューマンスキルの基本4種類

リーダーシップ力

そもそもリーダーシップとは何を指すのでしょうか。

webio「人事労務用語辞典」では「リーダーシップ」を以下のように定義しています。

『リーダーシップには明確な定義がなく、さまざまな捉え方がありますが、大きくは「物事を成し遂げる力」と解釈することができます。また、リーダーシップが必要となるのは集団で共通の目的・目標に向かう場面です。そのため、一人で成し遂げるのではなく、集団活動において発揮される力ということができます。』
(※引用)webio:「人事労務用語辞典リーダーシップ」より

「人事労務用語辞典リーダーシップ」では、明確な定義がないと表記されてます。これは、属する組織の状況や目標によってとるべき行動が変わるからと考えられます。簡単に言うと、「1人ではなく、2人以上の環境で発揮される力」となります。

現代で求められるリーダシップ】

ここでは、現代の社会背景から必要とされるであろうリーダーシップを紹介します。

変革型リーダーシップ
「時代や環境、社会の変化に合わせて、自分たちも変化・変革していこう」という考えと行動に基づいたリーダシップ理論です。

革型リーダーシップを発揮していくための4つのI

4つのI説明
Individualixed influence
理想化による影響
いわゆるカリスマ性。
ビジョン及び使命の意味を提供する
Inspirational motivation
モチベーションの鼓舞
部下の感情や前向きな気持ちを喚起させることによって影響を及ぼす
Intellectual stimulation
知的刺激
部下の関心や好奇心、その他思考力や想像力を喚起させ、考えや価値観に影響を与える
Individual consideration
個別の配慮
部下ひとり一人を個々に扱い、コーチし、アドバイスする

サーバント・リーダーシップ
「リーダーはまず相手に奉仕し、その後相手を導くものである」という考えのもとに生まれた支援型リーダーシップのことです。

NPO法人「日本サーバント・リーダーシップ協会」によると、サーバントリーダーには、重要とされる10の特性があるといわれています。

傾聴「耳」「目」「心」を傾けて真摯な姿勢で相手の話を聴くコミュニケーションの技法。
共感他人の考え・主張を受けとめ、喜怒哀楽の感情を共有すること。
癒やし様々な理由で意気消沈したり傷ついた人をいたわり心を癒す行為。
気づき固定観念や偏見にとらわれず、物事をありのままに見て、その本質を見る能力。
説得一方的に従わせるのではなく、相手の理解を得て仕事をしてもらうようコミュニケーションを取ること。
概念化環境や状況、起きた出来事の背景にある性質や要素に着目して、それらの事物を一つの概念(コンセプト)のもとに「統合」すること。
先見力過去の事例や一般概念をもとに、未来を見通していく力。
執事役自分が利益を得ることよりも、相手に利益を与えることに喜びを感じるようにしたり、相手から一歩引くことを心得る能力。
人々の成長に関わる関わる人たちの資質や特性に注目し、それらに合わせての成長のあり方をイメージし、かつ寄与していくこと。
コミュニティづくり関わる人たちが安心感や愛着を持てる環境を構築し、それぞれが成長感と幸福感を持てるコミュニティにしていくこと。

オーセンティック・リーダシップ
「自分らしさを発揮したリーダーになれる」という考え方です。

オーセンティック・リーダーシップに必要とされる5つの特性

目的【自らの目的を理解する】自分を高みに向かわせる、モチベーションとなる夢や叶えたいことを明確にする
価値観【倫理観に基づいて行動する】自身が正しいと思う価値観や倫理観をぶれずに持ち続ける
真心【真心を込めてリードする】大事にしていることを本音で伝え、相手を尊重し、その姿勢や真心を見せる
人間関係【継続的な関係を築く】お互いに支援しあえる環境を作り出していく
自己規律【自己を律する】自らを律し、セルフマネジメントができるようにする。常に学び続ける姿勢でいる

シェアド・リーダーシップ
「個々の特性を活かして皆がリーダーになり、同時にフォロワーになる」というリーダーシップ理論で、リーダーを特定の人に縛ることなく、複数のメンバーまたは全員でリーダーシップを執るという考えです。

シェアド・リーダーシップは、「個人のリーダーシップ能力の発揮」よりも、「発揮できる環境」を整備することが大事です。

もちろん、環境だけではなく個の資質も必要となります。環境が整えられていても、以下の資質がないと発揮は難しいでしょう。

必要な個の資質
発揮できる環境
  • 目的を明確にする
  • 主体性を持つ
  • 積極的にコミュニケーションをとる
  • ビジョンがある
  • 言いたいことが言い合える
  • 仲間の強みと弱みを把握できている

コミュニケーション力

対人的なやり取りにおいて、お互いの「意思疎通」や「情報共有」をスムーズにするための能力のことです。

【コミュニケーション能力を構成する4つの力】

  • 伝える力(言語)
  • 聴く力(言語)
  • 伝える力(非言語)
  • 読み解く力(非言語)

自分の意見や思いなどを正確に伝えること。相手の伝えたいことを聴くこと、読み解くこと。その結果、お互いの意思疎通が図れている状態をコミュニケーションが取れているといいます。

ヒアリング力

ただ相手の話を聴くだけでなく、相手が持っている良さを引き出していく力のことです。相手の表情やしぐさ、声のトーンなども観察し、本当に伝えたいことを読み取る力が求められます。

【ヒアリングの押さえておきたいポイント】

  • 質問内容をまとめておく
  • 事前に趣旨や内容を伝える
  • ヒアリング前にアイスブレーク
  • 相手の反応を見ながら話す
  • 相手の発言を遮らない

「部下」にヒアリングをする際の、最も重要なことは話しやすい状況を作ることです。
何をヒアリングするかにもよりますが、TPOを考えて実施しましょう。

顧客へのヒアリングなら、最低限「相手の状況」「課題」「ニーズ」「スケジュール」を把握する必要があります。準備なしでヒアリングを実施してもうまくはいきません。

プレゼンテーション力

他人に自分のアイデアや考え、想いを理解させることのできる力。話し方といった感情面だけでなく、資料の作成など論理的に伝える力も求められます。

【プレゼンテーション力に必須の2つ】

相手が必要な情報を的確に伝える能力

プレゼンテーションの対象となる相手は、何らかの「具体的」かつ「限定的」で「有益」な情報を求めています。

課題の解決方法や、利益につながる情報などを精査し、伝えるべき内容を精査します。相手のニーズを押さえて伝えることができれば、強い関心を持ってもらえるでしょう。

伝えたい内容を論理的に組み立てる能力

話の内容がうまく組立てられていないと、相手は聞く気をなくしてしまいます。

自分が伝えたいことを的確に表現するために、論理的な話の組立て方が必要です。相手を引き込む話の順序や伝えたい情報のボリューム、相手を納得させられる理論づけなど必要です。

※プレゼンでパワポやGoogleスライドを使うときの3つのポイント

  • 瞬時に情報を伝えられるデザインを意識する
  • 情報はコンパクトかつシンプルに
  • スライド枚数は最小限

ヒューマンスキルを高めるために必要な4つの理解力

状況を理解する力

自分と周りとの関係性を理解する力のことです。自分が置かれている環境や立場を察知することでもあるので、いわゆる『空気を読む力』ともいえるかもしれません。

人間を理解する力

互いが何を考えているかを理解しあえ、相手の気持ちや考え方に寄り沿うことができる能力です。集団においてこそより力を発揮する能力と言えるでしょう。

自分を理解する力

自己理解は自分の気持ちや感情がわかっている状態のことです。自分自身について理解を深め、周りの声を素直に受け止める姿勢が大切です。

他の人を理解する力

他人の気持ちや感情がわかる状態のことを他者理解と言います。自己理解とは真逆の意味を表します。

ヒューマンスキルを高めるためには磨き続ける必要があります。仕事をするうえで全ての人に必須のスキルなので、習得するだけではなく、より磨いてさらに高みへと行けるよう努力を続けていくと良いでしょう。

まとめ

ヒューマンスキルとは、社内外のあらゆる関係者と円滑な意思疎通をはかり、良好な人間関係を築く能力です。

  • リーダーシップ力
  • コミュニケーション力
  • ヒアリング力
  • プレゼンテーション力

ヒューマンスキルを高めて自分自身を成長させましょう。

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