仕事の基本「テクニカルスキル」を身に付けよう

テクニカルスキルは、もともと「カッツモデル」というモデル図の要素でした。

1950年代にハーバード大学教授のロバート・L・カッツ氏により提唱されて以降、人材育成や組織開発の指針として活用され続けています。

※こちらははカッツモデルを図で表したものです。

この記事では、「テクニカルスキル」にフォーカスを当てて解説したいと思います。

テクニカルスキルとは、業務を遂行する上で必要となる専門的知識や技術、業務遂行能力などのことで、内容は職務内容によりさまざまです。

たとえば、営業職なら勧める商品の知識、事務職ならPCの操作能力などがあります。

目次

3つのテクニカルスキル

凡用スキル

さまざまな状況で対応できるスキルのことで、以下のようなものがあげられます。

  • PCスキル
  • ビジネスマナー
  • 文章作成スキル
  • 情報収集能力
  • PDCA
  • 育成能力

汎用スキルは、「ポータブルスキル」「トランスファラブルスキル」とも呼ばれます。部署や職種に限定されず、さまざまな状況で活用できるスキル全般を指します。

一般的に社会人に必要とされるスキルの多くは、汎用スキルに分けられます。特定の業種や職種、時代背景にとらわれない汎用スキルには真面目さや積極性、几帳面さなど性格や人柄なども含まれるので覚えておきましょう。

専門スキル

特定の範囲で活かしていける専門スキル

専門スキルは限定された領域でしか発揮できないものの、特定の環境では全員が身に付ける必要があるスキルのことで、下記のようなものがあります。

営業商品知識、プレゼンテーション能力、マーケティング能力
一般事務文章作成能力、電話対応、来客対応、事務処理能力
経理・会計財務、経理処理、簿記
福祉保険制度、医療、介護
IT技術プログラミング言語スキル、デザイン・システム設計
製造製造・加工スキル、製造知識
教育コーチング、ティーチング
サービスホスピタリティ、接客能力

専門スキルは、個人的に学ぶこと以外にも、現場で磨かれていくスキルといえるでしょう。

チーム全員が身に付けておくと、欠員や業務量増加といった場合でも速やかにフォローができるようになります。

特化スキル

高度な業務に必要とされる特化スキル

特化スキルとは、専門スキルよりも高度なスキルを指し、自身が配属された部署で高度な知識や技術が必要な場合に発揮されることが多いです。

たとえば、以下のようなものがあげられます。

  • 特定のプログラミング言語の知識が深い
  • FP資格を持っているためキャッシュフローの作成ができる
  • 一流レストランのソムリエを務める
  • 彫刻などのクリエイティブな作品を生み出す
  • 病院で脳外科医を務める

専門性を追求した知識や技術は一朝一夕で模倣できません。そのため特化スキルを持っている人材は組織で非常に重宝されます。よって経営者や人事担当者は希少性の高いスキルが途絶えてしまわないよう、後継者育成を計画的に進めていく必要があるのです。

テクニカルスキルを向上させるメリット

業績の向上につながる

テクニカルスキルが向上すると、業績向上につながります。

社員ひとり一人のテクニカルスキルが向上すると、あらゆる業務を円滑かつ効率的に進められる用になります。

たとえば、商品知識がない社員の場合、まずは知識の習得から始めなければいけません。そもそも、知識があれば初日から実務に入ることができ、業務を円滑に進めることができます。

業種に限らず、業務を円滑かつ効率的に進めることができれば生産性が向上し、業績向上にもつながるでしょう。

モチベーション高く働くことができる

社員がテクニカルスキルを身に付けると、モチベーション高く働くことができるようになります。

業務に関する知識や技術が身に付けば、自分で考えて仕事を進められるようなります。意思決定の裁量が大きくなるため、社員の自律性を高まり、意欲的に働くことができるようになるでしょう。

顧客満足度の向上につながる

社員のテクニカルスキルが向上すれば、顧客の満足度が上がります。

顧客からの質問や要望に、スピーディーかつ的確に答えられなければ不信感を抱かせ、商品の購入やサービス利用を検討していたとしても、契約にはいたらないかもしれません。

顧客の対応をきちんと行うことができれば、安心感を抱くため、結果的に顧客満足度の向上へとつながるでしょう。

テクニカルスキルを向上させる方法

社内研修(OJT・OFF-JT)

OJTやOff-JTを実施することで、テクニカルスキルを高める方法があります。

OJTとは、「On-the-Job Training」といい、実践を通じて知識や技術の習得、向上を目指す方法です。

社内の熟練者やベテラン社員からマンツーマンで指導を受けるため、必要となるテクニカルスキルを実際に見ながら習得でき、短時間でテクニカルスキルをマスターできるでしょう。

しかしその反面、成果が指導者の能力に左右されやすい面もあります。人選は慎重に検討しましょう。

実践ではなく、外部講師などを招き体系的に知識などを習得、向上させるのがOff-JT(「Off-the-Job Training」)です。

自社にないスキルやノウハウを身に付けさせるために有効な手段です。また、自社と外部を比較し、汎用性や専門性を見極めることも可能です。新しいスキルを習得するためのチャンスにもなるため、積極的に活用しするとよいでしょう。

OJTとOff-JT、それぞれ学ぶ内容が違うため、テクニカルスキルを高めるには併用することをおすすめします。

まとめ

テクニカルスキルとは、業務を遂行する上で必要となる専門的知識や技術、業務遂行能力などのことです。

  • 凡用スキル⇒さまざまな状況で対応できるスキルのこと
  • 専門スキル⇒特定の範囲で活かしていける専門スキル
  • 特化スキル⇒高度な業務に必要とされる特化スキル

テクニカルスキルを向上させて、モチベーション高く業務に取り組みましょう。

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